Dialogue

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INFORMATION

 重要!! 受講登録いただきました方へ

 2024年6月21日(金)午前9時~9時40分当日スケジュールならびに
 当日受付にて必要となります受講番号(主催より発行)を ご登録いただきましたメールアドレスにお送りしました.

 届いていない方は、登録時に弊社からお送りしております確認メールに2024年6月27日(木)17時迄にご連絡ください.
 弊社から確認メールが届いていない方は登録されておりません.
 また、参加申込は2024年6月17日(月)締め切っておりますので当日追加参加はお断りいたします.

 受講登録締め切りました

 2024年6月17日(月)予定通り締め切りました.多数のお申込ありがとうございました.
 注意事項:当日受付にて弊社から発行しました受講番号お名刺が2枚必要となります.
 当日ご用意が無い場合は、入場をお断りいたします.尚、本セミナーでは当日配布資料はございません.

開催概要

Dialogue19th Anniversary2024


2020年開催予定でございました弊社15周年記念オンサイトセミナーでございますが、2020年5月,8月と開催を試みましたが、コロナウイルス感染拡大のためPENDINGなっておりました. 昨年(2023年)、新型コロナウイルス感染症について、感染症法上の位置付けが2類相当から5類感染症に変更されました. ここ数年オンラインによるウェビナー開催の様々なメリットも体感いたしましたが、やはり、実際に対面で接して交流することの重要性を改めて認識し 今年(2024年)弊社15周年記念セミナー改め19周年記念セミナーをオンサイトで開催する運びとなりました. これまで弊社に対しご助言、ご尽力いただきました方々にご講演をお願いしました.ご多忙とは存じますがご参加いただければ幸いに存じます. 弊社は、今後も引き続き学術セミナー開催を通し産学の研究者の方々に最先端の話題を提供いたす所存でございます. 今後とも、ご指導ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます

                                               Takashi Kawahito
                                               Dialogue Co., Ltd.

                                               
【開催日】2024 7 2日(火)3日(水)
【会 場】東京都品川区 ※オンライン(ライブ配信およびオンデマンド配信)はございません
【定 員】300名×2日間 (無料招待枠200名×2日間、有料100名×2日間)
【締切日】2024 617日(月)
【主 催】ダイアローグ株式会社

抗体・中分子医薬 (7月2日)

井川智之氏
Chairman
井川智之氏

中外製薬株式会社 執行役員 研究本部長



ご経歴
2001年に東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻卒業後、中外製薬(株)入社. プロジェクトリーダーとしてエミシズマブ、サトラリズマブを創製.中外の基幹技術となった様々な抗体エンジニアリング技術を開発し、それらを活用した創薬プロジェクトを数多く立ち上げ、技術ドリブン創薬を牽引. 2016年にバイオ医薬研究部長、2017年に抗体・中分子技術を活用した創薬に特化したシンガポールのChugai Pharmabody Research Pte.Ltd.のCEOに就任. 2021年に帰国し、全ての中外創製品の早期臨床開発を担うトランスレーショナルリサーチ本部長就任.2024年3月より現職.

倉持太一氏
Keynote lecture
倉持太一氏
中外製薬株式会社
研究本部 バイオ医薬研究部長

抗体技術とモノづくり力を生かした
革新的な創薬プロジェクト創出


講演要旨
抗体医薬品は、抗体の特異性、長い半減期、高い安定性といった優れた特徴を生かし、重要なモデリティの一つとして成長してきた。中外製薬は、抗体医薬品市場における競争優位性を確立するため、標的の拡大やユニークなMode of Actionを可能にする革新的な抗体技術を開発に取り組んできた。これにより、標的抗原に複数回結合可能なリサイクリング抗体®、病変部位でのみ機能を発揮するスイッチ抗体™、1つのFabが異なる標的に結合できるDual-Ig®といった抗体技術を生み出してきた。中外製薬の特徴である精緻なモノづくり力と抗体創薬の基盤技術は、これらのアイディアを具現化するための重要な支えとなっている。これらの抗体技術とモノづくり力を背景に、我々は品質にこだわった創薬プロジェクトを推進してきた。本講演では、これらの抗体技術と独自の創薬コンセプトに基づく創薬プロジェクトを紹介する。

太田淳氏
Keynote lecture
太田淳氏
中外製薬株式会社
研究本部 モダリティ基盤研究部長

細胞内タフターゲットを
志向した環状ペプチド創薬の取り組み


講演要旨
細胞内のタンパク質間相互作用異常は数多くの疾患を引き起こす事が知られている一方、これらの原因分子は従来の抗体分子や低分子ではアプローチが難しく、それ故に多くが未解決の課題として残されている。そのような背景の中、低分子と抗体の中間の分子量を持つことで、低分子のように細胞内に入り抗体のようにタンパク質間相互作用を阻害することができる“中分子”が、その解決手段の一つとして近年注目を浴びている。本発表では、そのような中分子の一つとして中外製薬取り組んでいる環状ペプチド創薬について、その技術的な特徴及び第一号として開発が進んでいるLUNA18の分子創製について紹介したい。

ADC・mRNAワクチン (7月2日)

我妻利紀氏
Chairman
我妻利紀氏

第一三共株式会社 常務執行役員
研究開発本部長 兼 研究統括部長



ご経歴
1991年、三共(株)入社、バイオサイエンス研究所に配属。英国MRC Collaborative Centre (1993-4年)および東大医科学研究所(1994-5年)にて、抗HIV剤薬理研究を担当。1997年からは、低分子抗がん剤、ゲノム研究に従事。2004年から抗体医薬に集中、抗体研究基盤の確立と抗体品目研究を牽引。第一三共(株)誕生後、2010年にADC技術開発チームを創立、その研究をリードした。また、2013年には癌免疫研究グループを創立。2013年バイオ創薬研究所長、2016年バイオ・癌免疫ラボラトリー長、2019年オンコロジー第一研究所長、2022年研究統括部長を経て、2024年より現職。

阿部有生氏
Keynote lecture
阿部有生氏
第一三共株式会社 執行役員
研究開発本部研究イノベーション企画部長

ADC創薬の最前線


講演要旨
抗体薬物複合体(antibody-drug conjugate:ADC)は、強力な薬物を癌細胞選択的に送達する次世代抗体医薬品である。その概念は、1900年代初期から提唱されてきたが、ADC開発の歴史は困難を伴い、承認まで至ったADC薬はわずかであった。近年、我々は抗HER2抗体に、新規DNAトポイソメラーゼI阻害剤であるエキサテカン誘導体DXdを結合させたTrastuzumab deruxtecan(T-DXd;DS-8201)を創製した。本講演では、その特長を概説するとともに、ADC創薬の最先端の研究事例を紹介したい。

武下文彦氏
Keynote lecture
武下文彦氏
第一三共株式会社
研究開発本部
研究統括部 ワクチン研究所長

新規LNP-mRNAワクチンプラットフォーム技術による
国産ワクチンイノベーション


講演要旨
予防接種の概念は、種痘に端を発し、中国では17世紀清の時代、西洋では18世紀末ジェンナーにより実証された。それ以降、継続的に異なる新規ワクチンモダリティが考案されることで、多様な病原体に対する予防ワクチンが開発されてきた。世界中に普及された結果、予防接種は、これまで最も多くのヒトの命を救済した医療手段の一つであるとされている。文明の発展と共にヒトの交流がグローバル化し、人類における感染症の種類・規模は飛躍的に拡大し、ワクチンニーズは留まりを見せないが、その開発及び実用化については、膨大なリソースが必要であることが課題である。今般のCOVID-19でその課題が顕在化し、新興・再興感染症に対する緊急危機管理対策として、有事にはステークホルダーが連携・集結することで、100日以内でワクチンを提供可能とする取り組みが始まっている。 mRNAをワクチンモダリティとして応用し得ることは、30年以上前に提唱されたが、修飾ヌクレオシドを用いることで安定性、安全性及び有効性を向上したmRNA原薬を製造する技術、mRNAを細胞内に送達する製剤及びその製造技術など、異なる複数の技術開発が進捗し、2010年代後半にヒトでmRNA encapsulated in lipid nanoparticle (LNP-mRNA)ワクチンとしてのproof-of-conceptが確認された。2020年以降、COVID-19ワクチンとして、スケールアップを可能とする製造プロセス開発がすすめられ、グローバルの公衆衛生に大きく貢献した。既にLNP-mRNAはワクチンプラットフォーム技術の新たなパラダイムとして確立されつつあり、今後は、異なる複数のmRNAワクチンが上市され、平時及び有事のワクチンニーズに対応していくことが想定されている。本講演では、国産mRNAワクチンとしての当社開発状況を含めて発表したい。

NEWモダリティ (7月2日)

舛屋圭一氏
Chairman & Keynote lecture
舛屋圭一氏

ペプチドリーム株式会社
取締役副社長 COO

ペプチド-薬物複合体PDCの新展開



講演要旨
ペプチドリーム社では、基盤技術から創製されるヒットペプチドをスタートとしたペプチド創薬を中心に事業展開を行ってきた。直近の5年に関しては、更にペプチドを最大限活用できるモダリティもしくは領域への展開を行うための技術開発や実証実験を積み重ねてきた。その中の1つとしてペプチド-薬物複合体(PDC)に関して理解を深め、実際に臨床現場へ化合物を送り出すところまで来た。PDCにおいては、ペプチドがターゲットタンパク質に選択的且つ強力にアフィニティーを有することが求められ(これは当社の基盤技術がシンプルに解決可能)、複合体化されるペイロードは、低分子、核酸、抗体、放射性核種などモダリティを問わないことが特長としてあげられる。本講演では、当社におけるPDCへのアプローチについて最近の進展も踏まえてご紹介する。

早川昌彦氏
Keynote lecture
早川昌彦氏
アステラス製薬株式会社
エンジニアードスモールモレキュールズ
シニアバイスプレジデント

標的タンパク質分解誘導を基盤にした薬剤開発


講演要旨
アステラス製薬では、標的タンパク質分解誘導によるアプローチにより、従来の技術では標的にできなかったタンパク質に対する創薬を推進している。この技術は低分子化合物によって、薬物の標的となるタンパク質を人為的にE3ユビキチンリガーゼに近接させ、ポリユビキチン化を介して標的タンパク質がプロテアソームによる分解へと誘導する。従来の低分子化合物は、酵素活性等、標的タンパク質の活性中心に基づく機能のみを阻害する一方、この標的タンパク質分解誘導は標的タンパク質の分解を通じて、足場機能やタンパク間相互作用を介した全活性を阻害するとともに、三者複合体形成を通じて、従来の低分子では実現できない優れた選択性を獲得することができる。我々はこの技術を活用して、これまで有効な治療法がなかった患者さんに治療薬を届けるために、より高い治療効果を発揮する新薬の開発に取り組んでいる。本講演ではKRAS G12D変異を標的とした開発候補品ASP3082の創出や提携戦略を含めた当社の取り組みを紹介する。

核酸医薬 (7月3日)

高垣和史氏
Chairman
高垣和史氏

日本新薬株式会社 取締役
研究開発担当 兼 研究開発本部長



ご経歴
1986年に日本新薬(株)に入社し、中央研究所で分子生物学的手法を用いた創薬研究に従事、1991年から1993年は、京都大学化学研究所(金久實研究室)の受託研究員としてバイオインフォマティクスを学び、その研究に取り組む.1997年につくば市に開設された東部創薬研究所に異動になり、核酸医薬品の創薬研究に取り組む.2005年から2010年は、日本新薬としてNEDOの「機能性RNAプロジェクト」に参加した.2014年より東部創薬研究所 所長となる.2016年より、京都本社に戻り、創薬研究所長として核酸創薬だけでなく低分子も含めた創薬研究全般を担当、2021年6月より現職、研究開発全般を担当する.

小泉誠氏
Keynote lecture
小泉誠氏
第一三共株式会社 研究開発本部
研究統括部 モダリティ第一研究所
日本核酸医薬学会会長

核酸医薬の研究開発状況と第一三共の取り組み


講演要旨
「核酸医薬」は、低分子化合物や抗体医薬では標的とすることができない分子に対して治療薬を設計することができる創薬モダリティとして注目されている。2023年の1年間を見てみると、筋委縮性側索硬化症治療薬「tofersen」、加齢性黄斑変性症治療薬「avacincaptad pegol」、原発性高シュウ酸尿症Ⅰ型治療薬「nedosiran」、トランスサイレチン型家族性アミロイドーシス治療薬「eplontersen」が承認されている。これらを合わせて承認された核酸医薬品は20品目となっている。特に、「eplontersen」はgapmer型アンチセンスオリゴヌクレオチド、「nedosiran」はsiRNAであり、両剤ともにGalNAcを結合させて肝臓への送達を高めたデリバリー技術を利用した核酸医薬品である。さらに数多くの核酸医薬品が前臨床・臨床試験に進んでいる。このような現在の核酸医薬の研究開発状況について紹介するとともに、第一三共における核酸医薬の研究の取り組みについても合わせて紹介する。

熊谷新司氏
Keynote lecture
熊谷新司氏
田辺三菱製薬株式会社
創薬本部 ニューロサイエンスユニット
先端化学グループ長

田辺三菱製薬における核酸医薬の取り組み


講演要旨
核酸医薬であるnusinersenは,脊髄性筋萎縮症治療を劇的に変える革新的治療薬となり,核酸医薬がこれまでにない医療価値を提供しうる創薬モダリティであると示しました.以降も,次々と画期的な核酸医薬が上市されており,新規モダリティの中でも一定の存在感を示してきています.田辺三菱製薬においても,疾患の根治・寛解が可能な創薬モダリティとして核酸医薬に注目し,原因遺伝子等を標的とする創薬研究を進めています.現在までに,大阪大学薬学部小比賀教授との共同研究により見出された新規人工核酸を用いて,神経・希少疾患領域等において複数のプロジェクトを推進してきました.これら田辺三菱製薬における核酸創薬の取り組みをご紹介いたします.

細胞・遺伝子治療 (7月3日)

木村徹氏
Chairman
木村徹氏

住友ファーマ株式会社 代表取締役社長



ご経歴
1989年 4月  住友化学工業株式会社入社
1992年10月 住友製薬株式会社
2012年 4月  大日本住友製薬株式会社 事業戦略部長
2013年 9月  再生・細胞医薬事業推進室長
2016年 6月  取締役 執行役員
2020年 4月  取締役 常務執行役員 CSO
2021年 4月  代表取締役 専務執行役員 CSO
2022年 4月  住友ファーマ株式会社 代表取締役 専務執行役員
2024年 6月  代表取締役社長(現職)

薗田啓之氏
Keynote lecture
薗田啓之氏
JCRファーマ株式会社
常務取締役 研究本部長

JCRファーマにおける
遺伝子治療・細胞治療の開発状況


講演要旨
JCRファーマは希少疾患治療薬の研究開発に特化しており、特にライソゾーム病を対象に血液脳関門通過技術を用いた酵素製剤の開発を進めている。 これまでに「イズカーゴ」を日本で上市し、グローバルP3試験を実施中である。またそれに続きJR-171(ハーラー症候群)がグローバルP1/2を終了し、JR-441(サンフィリッポ症候群A型)についてもグローバルP1/2を実施中である。 また細胞医薬として2016年に「テムセル」を上市し、骨髄移植後の急性GvHDの治療に使われている。 これらの経験やノウハウを基に、新規の細胞医薬や遺伝子治療薬の研究も積極的に手掛けており、非臨床ステージで有望な結果を得つつある。 今回はこれらの細胞医薬や遺伝子治療について紹介する。

細山剛氏
Keynote lecture
細山剛氏
帝人株式会社
再生医療・埋込医療機器部門長付
帝人リジェネット株式会社 社長補佐

帝人におけるCAR-T事業の取り組み


講演要旨
Novartis社によるKymriahが患者様の治療へ用いられて以来、世界中で様々な細胞治療製品の開発が進められています。技術は日進月歩であり、従来では実現が困難であった細胞製造の自動化が現実となり、治療効果の向上と生産の効率化が急速に進化し、様々な意味で当治療法がベッドサイドへ寄り添う形に近づいています。 そこで、今回、目まぐるしく状況が変わるCARTの現況と、これに関連した当社の取組みについて紹介し、TEIJIN CDMO独自の市場価値提供と意義についてご提案する機会とさせて戴きます。

大友純氏
Keynote lecture
大友純氏
株式会社日立ハイテク
ヘルスケア事業統括本部
治療システム事業部
再生医療ソリューション部 主任技師

「iPS細胞の産業利活用に向けたエコシステム構築」
に関する COCN(産業競争力懇談会)提言と社会実装


講演要旨
国内の医薬品研究開発費は毎年拡大し、効率化が求められている。これら課題の解決に向けて、iPS細胞は、再生医療への利用はもちろん、新規医薬品開発の強力なツールとなることが期待されている。COCN(産業競争力懇談会)では、創薬利活用を主な対象とし、「iPS細胞の産業利活用に向けたエコシステム構築」を目的とした提言を2019/2020年度に提出し一般に公開した。本講演会では、製薬企業におけるiPS細胞に対するニーズ等を基に、「iPS細胞の産業利活用エコシステム」のあるべき姿をご紹介する。また、社会実装へ向けた現状に関して議論する。

抗体医薬 (7月3日)

森聖寿氏
Chairman
森聖寿氏

協和キリン株式会社
研究本部 研究ユニット長



ご経歴
1996年に協和発酵工業(株)に入社した後、免疫アレルギー疾患治療に繋がる低分子化合物の探索を中心に創薬研究に従事.2001年から2002年には、大阪大学微生物病研究所(審良静男研究室)に派遣となり、自然免疫のメカニズム解明や創薬への応用に取り組んだ.2009年から2012年、2016年から2017年の2度に分けて、米国サンディエゴにある研究子会社に出向し、ラホヤ免疫研究所(LJI)やUCSDとの産学連携を行った.2017年からは研究所長として、バイスペシフィック抗体やADCなどを中心に、開発化合物の創出を行った.2023年4月より現職.抗体、低分子などの従来モダリティに加え、細胞医薬など新規モダリティへの取り組みを進めている.主な担当分野は、がん(特に血液がんとがん免疫)、免疫疾患など.

丹羽倫平氏
Keynote lecture
丹羽倫平氏
協和キリン株式会社
研究本部 東京リサーチパーク長

ADCC増強抗体モガムリズマブによる
T細胞リンパ腫/白血病の治療


講演要旨
モガムリズマブ(ポテリジオ®)は、CCケモカイン受容体4(CCR4)に対するIgG1/κ型のヒト化モノクローナル抗体である。モガムリズマブは抗体依存性細胞障害活性(ADCC)を増強するポテリジェント(POTELLIGENT®)技術を利用し、アカデミアとの共同研究を経て創成されたファーストインクラスの医薬品である。2012年に再発または難治性のCCR4陽性成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)の治療薬として本邦で承認され、その後CCR4陽性初発未治療のATL、CCR4陽性再発または難治性の末梢性T細胞リンパ腫および皮膚T細胞性リンパ腫へと適応拡大が実施された。さらに、皮膚T細胞性リンパ腫については、菌状息肉腫およびセザリー症候群を対象とする国際共同治験が実施され、2018年以降に欧米およびアジアでも承認され、現在日本以外の患者さんにも広く使用されている。



山崎雄司氏
Keynote lecture
山崎雄司氏
協和キリン株式会社 研究本部
疾患サイエンス第1研究所長

FGF23中和抗体 burosumabの創製


講演要旨
低リン血症を特徴とする腫瘍性骨軟化症(TIO)の惹起因子として、FGF23を同定した。その後FGF23作用の解析、FGF23受容体の同定などにより、FGF23が生理的なリン調節ホルモンであることを明らかにした。さらにFGF23測定法の開発により、TIOやX染色体連鎖性低リン血症性くる病(XLH)など複数の低リン血症性くる病・骨軟化症が、過剰なFGF23活性により惹起されることを見出し、FGF23関連低リン血症性疾患の概念を確立した。またさらに、本疾患の根本的治療薬として、強力な中和活性を有する完全ヒト型抗FGF23モノクローナルIgG1抗体burosumabを創製した。burosumabは、本邦では2019年に保険適用となった。burosumabはCRYSViTA ®もしくはクリースビータ®として2023年には46ヶ国で上市され、約6000名の患者に使用されており、1500億円以上の売上を計上している。



天野徹氏
Keynote lecture
天野徹氏
協和キリン株式会社 研究本部
疾患サイエンス第2研究所長

抗OX40モノクローナル抗体Rocatinlimabの
アトピー性皮膚炎治療薬としての開発


講演要旨
アトピー性皮膚炎(AD)は、皮膚の発赤やそう痒を特徴とする慢性炎症性皮膚疾患である。OX40 は主に活性化T細胞に発現する共刺激分子であり、B細胞、樹状細胞などの抗原提示細胞等に発現する OX40リガンドと相互作用することにより活性化される。OX40経路の活性化はT細胞の増殖、分化、生存、及びメモリー形成に寄与していると考えられる。AD患者では、血中CD4陽性T細胞のOX40発現が増加している。Rocatinlimabは、抗OX40ヒト型モノクローナル抗体であり、OX40経路阻害によりT細胞の活性化を抑制し、OX40陽性活性化T細胞を減少させる。中等度から重度の成人AD患者 を対象にした第2b相多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験において、Rocatinlimabは強力な有効性、良好な安全性、そして投薬中止後でも持続的な奏効を示した。




         

主催・事務局:ダイアローグ株式会社

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