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ご経歴
2023年 藤田医科大学 医学部 臨床再生医学講座 准教授
2022年 順天堂大学 大学院医学研究科 特任准教授
2020年 University of Cambridge,Department of Haematology.Visiting Researcher
2013年 東京医科歯科大学 大学院保健衛生学研究科 助教
2012年 東京医科歯科大学 大学院保健衛生学研究科 特任助教
2009年 慶應義塾大学 医学部 生理学教室 特任助教
慶應義塾大学 医学研究科 生理系専攻修了
受賞
2019年 第29回日本サイトメトリー学会研究奨励賞
2018年 第28回日本サイトメトリー学会ポスター賞
2017年 第38回日本炎症・再生医学会優秀演題賞
2015年 東京医科歯科大学医学研究奨励賞
2014年 平成26年度東京医科歯科大学学長裁量優秀若手研究者奨励賞
2013年 第35回日本炎症・再生医学会学会奨励賞
第12回日本再生医療学会総会Young Investigator's Award優秀賞
講演要旨
骨髄異形成症候群（MDS）の原因となる遺伝子変異を伴う造血幹細胞（HSC）は、自身の増殖優位性を担保するためにEVを用いて骨髄微小環境をリプログラムしている。MDS由来EVは間葉系幹細胞に取り込まれ、正常HSCの支持能を著しく抑制するだけでなく、EV含有miRNAが骨芽細胞への分化を抑制し骨粗鬆症を誘導する。健全な血液と健全な骨は「持ちつ持たれつ」の関係にある事は疫学的にも証明され、ニッチの修復を通じて正常造血を回復させる新たな治療戦略にも繋がっている。本講演では、細胞間クロストークの観点から、骨と造血、そして老化制御をつなぐEVの役割についての展望を共有したい。
講演要旨
間葉系幹/間質細胞（MSC）由来細胞外小胞（EVs）は、炎症制御や組織修復など多面的な作用を示し、細胞移植を補完する新たなアプローチとして注目されている。非臨床研究では多様な組織で有用性が示され、海外では複数領域で臨床試験も進展している。一方で、医療応用に向けては、製造や品質に関する一般的な検討が重要とされ、EV の特性を踏まえた基本的な考え方が整理されつつある。本講演では、MSC-EV の特徴と研究動向を概説し、応用に向けた一般的な視点を紹介する。
渡辺聖実氏
東洋紡株式会社 バイオプロダクト営業部
CATAROSEV®は、イオン交換機能を備えた精密ろ過膜により、サイズと電荷に基づいてエクソソームを分画し、高純度・高収率で迅速に精製する新技術です。従来の超遠心法と比べ、作業時間を約30分に短縮し、回収量を約3倍に高めています。タンパク質除去率99%以上を達成し、粒径50～150nmのエクソソームを安定して回収できます。創薬、診断、再生医療など幅広い応用が期待されます。本講演ではCATAROSEV®の詳細をご紹介します。
西尾将人氏
ＰＨＣ株式会社
バイオメディカ事業部 マーケティング部 新規事業推進課 主任
MSC由来の細胞外小胞 (EVs) を治療として用いる研究が加速し、医薬品製造を見据える中、EVs産生工程における接着細胞の大量培養方法の確立が必要とされている。MSCにおける大量培養における課題は、接着細胞の大量増殖、スケーラビリティ、そして後の下流工程の効率化が挙げられている。これらの課題を解決できる可能性を秘めているのが、固定床として不織布を使用するfixed-bedバイオリアクターである。円柱状の均一な構造を有するfixed-bedバイオリアクターは、接着細胞の大量培養に適しており、リニアなスケーラビリティを実現するだけでなく、細胞と上清の成分の容易な分離を可能とする。本セミナーではMSCの培養実績からエクソソーム生産した実例を紹介する。
山根昌之氏
富士フイルム和光純薬株式会社 バイオ製品推進部
細胞外小胞（EV）は、細胞が放出する脂質二重膜の小胞で、細胞間の情報伝達に重要な役割を果たします。近年、EVはバイオマーカー検出を通じた診断や、製剤としての治療応用が期待され、研究が活発化しています。富士フイルム和光純薬は2016年に独自のEV精製技術「PSアフィニティ法」を開発し、研究用試薬として提供してきました。また、抗体ベースの検出技術や保存液など、多様な基礎研究支援技術も展開しています。近年はこれら基盤技術を活用した診断・治療分野への応用と実用化支援にも注力しています。本発表では、当社のEV研究基盤技術に加え、診断・治療分野での実績を交えて、有用性と実用化支援の取り組みをご紹介します。
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